もし、MAGNEPANを聴いていなかったら……

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もし、たら……

 もし、あの日あの時あの人に出会っていなかったら…… 人生にはいろいろな出会いと別れがありますね…… 後悔先に立たず、とはよく言ったものです。しかし、あの別れがあったからこその今がある、とプラス思考でいくしかありません。前にも書きましたが、かつてこのスピーカーがデビューした当時、新品を某所で聴いたときのネガティブな印象、それも強烈な…… そんな不幸な出会いのせいで、実は多くの『名機』とのすれ違いを体験してきました。鳴らす技術の欠落による悲惨なサウンドで評価してしまった結果だったと思えます。オーディオ専門誌の編集者も、業務用機器の扱いに関してはど素人同然です。ただアンプにつないで、オーディオ・マニアにしか通用しないエキセントリックな使いこなしの秘術を適応して…… 新興宗教の世界でした。
 カメラでも車でも、高度なマシンになればなるほど使う『技術』が必要になってきます。極端な例ですと、F1マシンは私たちでは発進させることすら出来ないかもしれません。アメリカではお金だけはある、という富裕層の方々のスーパーカーによる事故がすさまじい件数です。最低限必要とされる技術、約束事を無視したのでは本来のパフォーマンスは引き出せない、というわけです。
 自分の思い込みと信念だけでコントロールする、あるいは本道から大きく外れた奇矯な、『発明』に近い方法でのアプローチでは、音楽からどんどん離れていくばかりでしょう。まあ、どんな使い方を選択するかは個人の自由です。自分だけの世界で悦に入る、『裸の王様』状態ですが、誰にも迷惑はかからない以上OKなのかな、とも思います。わたしが目指しているのは、たとえばカラヤンにこう言ってもらえるようなサウンドです。
「おお、驚いたな君。凄いじゃないか、私のあの録音がここまで生々しく自然に響くとは。ありがとう」と。
 音楽と、演奏者にたいする敬意と感謝の気持ちを忘れたくないと思います。それは音楽のジャンルを超えて、共通する認識です。マイルスやコルトレーンが聴いたとしたら、ああ、自分の演奏が、あの瞬間、ここまでの精神性がギュッと凝縮されていたんだなぁ、と再発見していただけるような……

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